浦和・遠藤航、成長のために必要な「試合における1対1の精度」
デュエルとは何か。日本と世界の差はどこにあるのか。浦和・遠藤航連載第24回
■悔しさが思い出される2シーズン
浦和レッズに来て3シーズン目を迎えることになります。
1シーズン目はチームに馴染みながらタイトルを目指しました。結果的にルヴァンカップ、Jリーグ2ndステージ優勝を果たすことができました。2シーズン目はディフェンスラインの中心としてやっていこうと努め、ACL優勝を果たすことができました。その間、リオデジャネイロオリンピックやロシアワールドカップアジア最終予選にも先発するなどいろいろな経験を積むことができた。
振り返ってみれば充実したものなのかもしれませんが、加入時の目標だったリーグ優勝を果たすことができず、そのほかにも悔しい思いをたくさんし、「まだまだ成長しなければ」と痛感した時間だったように思います。
ちょうど1年前、この連載で「ボランチをしたい」と書きました。
その思いは、新しいシーズンに向かいより強くなっていると言えます。「成長」をしていくために必要なことだと感じているのです。
シーズンオフの今回のタイミングで、ごく個人的な思いについて書いてみたいと思います。
昨シーズン、開幕から数カ月は3バックの真ん中でプレーをしていましたが、監督の交代もあって右サイドへポジションを移しました。また、代表ではボランチやアンカーといった中盤のポジションを主戦場にしました。いろいろポジションを変えたからか、メディアの方からよくこのポジションの変化に悩まなかったか、と聞かれました。ただ、正直な感想として「悩む」ことはありませんでした。どこか慣れっこだったところがあって、むしろスタメンが発表をされたときに「遠藤は今日は右か」「ボランチか」と、違うポジションでプレーすることに対して違和感を持たれなかったことを少し誇りに思っていたくらいです。もし、他の選手が急にポジションを変わっていたら「え、あの選手が右サイド!?」みたいな驚きがあったと思うので(笑)。
昨シーズンに挑戦した(4バックの)右サイドはやってみてものすごく面白いポジションでした。より攻撃的な役割を求められますし、1対1の強さ、ボールを奪うことを求められます。堀監督が見出してくれた新たな可能性や、周囲から「思ったより(遠藤の右サイドは)ハマった」と思ってもらえたこともモチベーションになりました。